これからに必要な「営業DX」の3つのポイント
DXの定義についてですが、これは国が示している文章があります。
企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立すること。
「バックオフィス」と呼ばれるDX化では、作業の効率化を目指して間接業務や二度手間を無くし、省力することを注力しますが、営業DXでは営業活動の新たなモデルを構築し、現代のビジネスモデルにあった営業手法を取り入れていくのが一般的です。
デジタルマーケティング等が注目されていく中で、営業DXを行っていくにはどのポイントに注力すべきか。本章ではそのポイントを大きく3つに分けて解説していきます。
自社の営業モデルを業務単位で分解する事
最近ではSalesforce社が掲げる「The Model」が普及してきていますね。
出典:Salesforce|The Model(ザ・モデル)とは?用語と営業プロセスをSalesforceが解説
「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」という営業職が今まで個人で行ってきた業務を、チームで分解しその専門性を高めることにより営業全体の効率化に繋がり、数値的な変化も期待できるという仕組みです。
今までの営業スタイルで多く課題が上がるキーワードは「属人化」です。多くの会社が個人任せになってしまい営業全体の最適化が難しい傾向にあります。
まずは、自社の営業要素を分解し、どの要素にどの人材、スキルが足りていないかの理解を優先しましょう。難しい場合は、外部専門家を使った効率化も今では一般的です。デジタルを取り入れるのはその後がベストです。
分解した業務を効率よく実施するためにデジタル要素を取り入れる事
要素の分解が進んだら次はその業務を繋げるためシステム化を行うことです。
昨今では「データドリブン」と言って今までの営業の勘や経験則だけではなく、収集したデータを利活用し、論理的な考えを元に営業活動を行うという考え方も普及してきました。利便性だけでシステムを取り入れていくのではなく、データを軸とした新しい営業チームを組織するとともに原因分析、改善が可能となるチーム作りも重要です。
マーケティングが進んでいる海外では営業チームとマーケティングチームが分けられていることが多いですが、国内ではまだまだ数は多くありません。限られた人員で営業DXを進めるなら、ITツールを駆使し効率化も図りながら進めることが重要となります。
利便性だけではなく「運用できそうかどうか」の視点を取り入れる事
上記にもある通り、インサイドセールスといった働き方も増えております。しかし、そのキーワードだけを切り取り自社に落とそうとすると慣れていない働き方により運用の乗らない企業が数多く存在します。
あくまで重要なのは、「自社で運用ができるかどうか」です。
最先端のテクノロジーを利用するのは良い事ですが、自社にあっているかどうかの判断は専門家等も巻き込んで、慎重に選びましょう。選んだツールを活かすかどうかは運用が全てです。チームスタッフの人員と共に運用ができる組織を目指し、時間をかけて構築することが大切です。
まとめ
今回は3つのポイントを解説しましたが、それぞれの分解フェーズ毎に最適な考え方やツールは数多く存在します。
自社の業種や業態に合わせた設計を行うことが営業DXに必要な一番のポイントかもしれません。