解約率低下!新たな手法「カスタマーサクセス」とは?

「カスタマーサクセス」という言葉を聞いた事がありますか?

ここ数年、サブスクリプション型のサービスが次々と登場したことを皮切りに、日本でもカスタマーサクセスという言葉が浸透してきました。サブスクリプション(継続課金)型ビジネスは、顧客の契約継続が売上に直結するビジネスモデルです。

近年、市場には数多くのサブスクリプション型ビジネスが溢れかえっているため、多くの成功体験を顧客に与えられなければ、簡単に顧客が離れてしまいます。それを補ってくれる役割として、カスタマーサクセスという新たな手法が存在します。今回は、カスタマーサクセスの詳しい概要を解説していきます。

カスタマーサクセスの役割とは?

長期的な顧客との関係構築

カスタマーサクセスは、単なる取引ではなく、顧客との長期的なパートナーシップの構築を促進します。これにより、企業は顧客のニーズに応えつつ、持続可能な関係を築くことができます。

価値の最大化

顧客が提供された製品やサービスを最大限に利用し、その価値を最大化することをサポートします。これは顧客満足度の向上に繋がり、顧客との信頼関係を高める事につながります。

問題解決とサポート

顧客が問題や疑問を抱えた場合、迅速で効果的なサポートを提供します。問題解決に対する迅速な対応は、顧客の信頼を築く上でとても重要です。

フィードバックの収集と改善

顧客のフィードバックを収集し、それを活用して製品やサービスを改善します。これにより、企業は市場動向に適応し、顧客の期待に応えるための改善を行います。

成長と拡大のサポート

顧客が成長するにつれて、新たなニーズや機会に対応するためのサポートを提供します。これは、企業と顧客が共に発展し、成功するための手助けとなります。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサポート

待ちの姿勢

カスタマーサポートは、企業が顧客に対して待ちの姿勢です。顧客が問題や質問がある場合に企業が対応するのではなく、顧客が自ら問い合わせてくるまで何も行動しないスタイルです。

目的は維持管理と保守

カスタマーサポートの主な目的は、既存の製品やサービスの正常な機能を維持し、必要なサポートを提供したり、修理したりすることです。

評価指標は顧客満足度

カスタマーサポートの成功は、顧客が提供されたサービスに満足しているかどうかで評価されます。このため、顧客満足度が主な評価指標(KPI)となります。

カスタマーサクセス

積極的なアプローチ

カスタマーサクセスは顧客の成功を考え、受け身ではなく、顧客に積極的に働きかけるスタンスのことです。

課題理解とプラン提案

顧客の抱える問題やニーズを理解し、製品やサービスを最大限に活用して顧客の成功に貢献するための具体的な計画を提案していきます。

成功体験と収益指標

カスタマーサクセスの評価は、顧客が実際に成功体験を得たかどうかや、企業にもたらされた収益の増加などが重要なKPIとなります。評価の指標もカスタマーサポートとは大きく異なっています。

カスタマーサクセス導入のメリット

解約率低下

カスタマーサクセスは顧客の成功を重視し、製品の価値を最大限に引き出します。これにより、顧客は満足度が高まり、解約率を抑制します。積極的なサポートや適切な提案により、顧客は製品を継続的に利用し、解約率が低く抑えられます。

クロスセルとアップセルの促進

カスタマーサクセスは顧客のニーズを理解し、製品やサービスの最適な活用法を提案します。これにより、新たなツールの導入やアップグレードがスムーズに進みます。顧客にとって有益な提案が増えることで、クロスセル1やアップセル2が促進され、企業は収益を増加させることができます。

  1. クロスセル: 既存の製品やサービスに関連性のある別のアイテムを提案して売上を増やす手法。 ↩︎
  2. アップセル: 既存の製品やサービスよりも高機能で高価なバージョンやプランを提案して売上を増加させる手法。 ↩︎
LTVの向上

解約率の低下とクロスセル・アップセルの効果的な展開により、顧客生涯価値(LTV)が向上します。顧客との信頼関係が築かれ、自社製品の提案が適切に行われることで、収益が安定的に伸び、長期的なビジネスの成功につながります。

まとめ

カスタマーサクセスの概念を企業に取り入れれば自社の強みとなる事でしょう。これからのビジネスシーンにおける戦略の一部とする事をお勧めいたします。この記事が少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。