社長のひとりごと「DよりもXが大切な話」

オウンドメディアをご覧の皆様、本記事をご覧いただきありがとうございます。本メディアを運営している株式会社 Connect Design の代表を務めております小谷と申します。

私たちはITを軸にしたサービス展開をしておりますので、当然「DX」というキーワードは頻繁に耳にします。

ただ、最近は「DX」という言葉だけがあまりにも一人歩きしていると感じられます。改めて私たちが思う「D」と「X」についてお話しします。

そもそもいつ頃から出た話?

デジタルトランスフォーメーションは、当時スウェーデンの大学教授であったエリック・ストルターマンが2004年に提唱した概念です。本記事の執筆時から20年も前の話になります。こんなに歴史があったんですね…。

しかし、この言葉が頻繁に使われるようになったのは、ここ4〜5年です。日本が海外の先進国よりもITの文化が後れていることを考慮しても、時間的なギャップは依然として大きいです。

普及率ってどのくらい?

どうしてもトレンド感が否めない言葉になってしまっているのが現状ですが、実際の推進率はご存知でしょうか?一概に正解を導き出すことは難しいですが、DXに取り組んでいる企業はおおよそ60%程と言われております。年々割合は増えているようですが、「十分に成果が出ている」と回答できる企業は10%程にとどまっています。この現状を整理すると「着手している企業は増えているが、成果にはつながっていない。もしくはこれから成果が期待される。」と言えますね。

私がこの数字を見て感じるのは、取り組む企業が増えることで、成功や失敗の事例が増えるため、後発の企業は成功確率を高められるということです。全体的には好ましい方向に進んでいるように思えますが、実際にDX推進を支援する立場からは、データでは捉えにくい課題があることを強く感じています。

「D」と「X」が切り分けられないから進まない。

上記したようにDXに取り組む企業が増えてきているのは、テクノロジーの進化によって様々なITツールが安価で使えるようになった背景があります。これはクラウドサービスの普及による大きなメリットです。

しかし、ITツールを導入しただけで簡単に成果を出すことはできません。そのため、先ほどの60%と10%のギャップが生じるのです。私はこの差が「D」と「X」の分離ができているかどうかによると考えます。

Xの略称は「トランスフォーメーション」です。言葉の通り「変化・変革」を意味します。「変化・変革」が最も難しいはずなのに、ITツールばかりが目立っています。本来、「Xを起こすはずのDであるのに、Dに執着しすぎてXの目的を見失ってしまう」…ここには失敗の大きな落とし穴が隠れています。

「DX」は企業風土トランスフォーメーションでもある。

生産性を上げる。無駄を無くす。より良い環境で働きやすい会社づくりを行う。
これらの背景には、必ず目的が存在します。目的を遂行するためには、当然ITツールの力だけではうまくいきません。

語弊を恐れずに書くと、「会社運営を行う方々の考えや歴史、風土を壊すくらいの勢い」が必要です。
※実際に全て変えるべき!というわけではありません。

DXに関するご相談をいただくと、後継の方が多いことに気づきます。生産性向上や無駄の削減などの目標に共感し、実現したいと考えているのでしょう。DXはこれらの目標へ取り組みはじめるきっかけとなります。

私たちはDXを推進する企業様に「結果」として貢献するため、企業風土トランスフォーメーションの考え方をお客様と共有しながら進めております。

これからDXに取り組もうとしている方や、すでに取り組んでいるが成果が出ていない方。課題は一つではないかもしれませんが、「DだけではなくXにも目を向ける」時間をとってみてはいかがでしょうか?

あとがき

春は新入社員が入社する季節ですね。多くの企業で新入社員を迎える時期ですが、社長が新入社員からSNSアカウントの作り方を教わっている光景を拝見しました。テクノロジーの進化は、若い世代が活躍するチャンスを確実に広げていますね。私も、気持ちは永遠の新入社員として頑張っていきたいと思います!